安美錦、アキレス腱断裂！「ボンっと音が」力士生命の危機

◆大相撲夏場所２日目　○栃ノ心（つきひざ）安美錦●（９日・両国国技館）

　現役関取最年長で西前頭３枚目の安美錦（３７）＝伊勢ケ浜＝が痛い１敗を喫した。同４枚目の栃ノ心（２８）＝春日野＝を押し出した際に、左膝から落ちる“つきひざ”で黒星。車いすで運ばれ、都内の病院で検査した結果、左アキレス腱（けん）の断裂が分かった。力士生命にかかわる大けがで、３日目から休場となった。新十両の宇良（２３）＝木瀬＝は鏡桜（鏡山）を押し出して関取初白星。２００７年夏場所以来９年ぶりに横綱・大関が２連勝発進となった。

　安美錦は相手を背中から押し出し、同時に左膝から崩れ落ちた。土俵中央に座り込み、左足首を押さえた。軍配は栃ノ心。館内は騒然となったが、物言いはつかない。勝ったはずのベテランは呼び出しの肩を借りて土俵を降り、車いすで相撲診療所に運ばれた。

　差し違えだと思った者も多かったはずだ。横綱・日馬富士は「（安美錦が）勝っていたでしょ。１勝って大きいんだよ」と部屋の兄弟子をかばった。八角理事長（元横綱・北勝海）は「物言いをつけないとだめ。確認する意味でも」と話した。栃ノ心さえ「相撲に負けたと思った。ビックリ」と敗戦を覚悟していた。

　今場所から新体制となった審判部は、立ち合いの手つきの徹底を含めた所作の厳格化を厳命。一方で、先月２６日の力士会では前会長の白鵬が物言いの際の明確な説明を求めた。今回は物言いにも至らず、安美錦の黒星は後味の悪さを残す結果となった。

　車いすの安美錦は「左アキレス腱が切れたかも。ボンっという音がした。殴られたような感じ」。診断の結果、アキレス腱の断裂が判明。師匠の伊勢ケ浜親方（元横綱・旭富士）は「相撲は無理。明日から休場する。（断裂の程度が）部分か完全か分からないが、切れているので手術はする」。１０日に再検査を受ける。

　２０００年名古屋場所の新入幕以降、２場所の十両を除いて９３場所も幕内にとどまったが、完治まで複数場所の休場が確実。関取の座を失う可能性はもちろん、力士生命にかかわる大けがになる恐れもある。

　◆安美錦の幕内記録　幕内出場１３５８は歴代５位。幕内在位９３場所は寺尾に並び歴代５位。通算出場１５５２回は、今場所１４日目で水戸泉の歴代１０位に並ぶ。通算７８４勝と幕内６６３勝は、ともに白鵬に次いで現役２位の記録。

引用元：http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160509-00000132-sph-spo